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妊娠,出産を経験して考えること

匿名寄稿者さん

 私がMSを発病したのは今から9年前の学生時代で、診断から半年後にベタフェロンを開始しています。その後は1年に1~3回の再発で、再発時は主に外来のステロイドパルスで治療していました。私の場合は幸いパルスに対する反応が良く、寛解期には診察すればわかる異常はあるものの目立った後遺症はなく生活できており、仕事も続けていました。そのような経過でいったんはベタフェロンを週2回まで減量することができたのですが、3年ほど前から再発の回数が徐々に増加し、一昨年と昨年は1年に5回以上再発を起こす状態となりました。

 5年前に結婚しておりいずれは子供もほしいと考えてはいましたが、再発を繰り返す様な状態になってから考えが揺らぎました。あと2年,、3年と年月が経って、その時の自分の状態で子供を持つ選択をできるのかどうか、妊娠に踏み切れるくらい病状は落ち着くのか、自信がなくなりました。そのような中で早めに出産することを勧めてくださる先生もいらっしゃり、子供をもつ選択にいたりました。

 程なく妊娠が判明し、妊娠後はうその様に再発がなくなりました。注射もないのでMSのことを忘れそうになるほどでした。しかし、妊娠8ヶ月の時点で再発。左の後頭部から腕、指先にかけてしびれと感覚障害が広がりました。指先に障害があっては育児にも不便があるだろうと主治医の先生も心配してくださり、パルスは3クール行いましたが、残念ながら指先の感覚障害は少し残ってしまいました。

その後妊娠37週で2672gの元気な男の子が誕生しました。これを書いている今、出産から3ヶ月経ちますが、嬉し いことに再発なく過ごせています。子育ては想像していた以上に大変で寝不足になりがちですし、慣れない育児でストレスもたまります。核家族の我が家では私が心身共にリラックスできる様な時間はあまりないのが現状ですが、それでも息子の寝顔は無条件にかわいく見え、毎週毎週成長していくのを実感することができています。いつ再発してしまうのか、私が入院しなくてはならない状態になったらこの子はどうなるのだろうと心配はつきませんが、今はそのようなことを時間かけて心配している余裕がないくらい、毎日が一生懸命の状態です。

 まだ 私も出産後3ヶ月ですが、もしこれから妊娠を計画されるMSの患者さんに何かアドバイスをさせていただくとしたら、妊娠前、出産前にできるだけ赤ちゃんとの生活を具体的にイメージして、準備を整えておくことかなと思います。準備を整えるのはMSの患者さんに限ったことではありませんが、私たちの場合は自分の体が妊娠出産と育児に耐えうるのか主治医の先生に相談することはもちろん、出産後に育児を手伝ってくれる方の確保、今の生活環境が育児に適しているか(例えば自宅への出入りが赤ちゃんを抱いて荷物を持った状態でも可能かどうか等)を自分の状態と照らし合わせて考え、必要があれば環境整備をしておくことに尽きると思います。

 最後に、私が妊娠・出産にのぞむという選択を応援してくださった主治医の先生を始め神経内科や産科の先生方、職場の方々には心からお礼を言いたい気持ちです。今後自分がMSの患者であるが故の困難は生じることもあるのでしょうが、責任を持って息子を育てていこうと思います。

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